高知県立大学雇止め裁判の傍聴

2018年07月25日 21:54
カテゴリ: その他2018

昨日、高知地方裁判所にて、高知県立大学雇止め事件の第2回口頭弁論がありました。本組合から副委員長以下3名が傍聴してきました。改正労働法による「無期転換ルール」から逃れるため、契約社員を5年超える前に雇止め、訴訟に発展してしまった内容でした。

「無期転換ルール」は、平成25年4月から施行により導入された改正労働契約法です。同一使用者のもとで5年を超えて契約更新した労働者は、無期雇用の申し込みが可能で、使用者は拒否できません。

訴状によれば、原告は、災害看護学のプログラマーとして採用され、チームリーダーとして統括してきた方です。平成24年12月、県立大側と採用前からプロジェクトの話し合いが行われた。その後、平成25年4月の勤務からプログラム作成の終了までの6年間は、安心して仕事してほしいなどの約束により、労働契約が交わされた。しかし、平成30年3月31日に6年の約束は反故され、結果雇止めとなった。原告は県立大側が5年ルールを逃れるため、意図的に雇止めを行ったと主張。

県立大側は、6年契約の提案を認めているが、本人が長期契約ではなく、単年契約を希望し、合意に至ったと主張。一方原告側は、当初の昇給有りなどの労働条件が、コロコロと変わる状況に不安を覚え、副学長から、まずは長期契約ではない契約の提案があったと説明。6年契約を断った事実はないと反論。

労働契約法19条では、契約が反復更新された後に、雇止めされることによる紛争が、たびたびみられる。故に、有期労働契約の更新に関するルールを先に明らかにし、雇止め紛争を防止し、その解決を図る必要がある。19条において、最高裁判決で確立している雇止めに関する判例の雇止め法理を規定し、一定の場合に雇止めを認めず、有期労働契約が締結、又は更新されたものとみなすこと。と記されています。仕事内容ではなく、意図的な雇止めは許しませんよという法律が、果たして有効となるか今後もこの裁判を注視していきたい。

私もNHK地域スタッフの仕事は丸15年になりました。知人から無期雇用の申し込みをすればいいじゃないの?と言われますが、個人業務委託者の身分ではできません。さらに言えば、労働契約法も労働基準法もありません。人道上、いいか悪いかは、時代背景や各々の立ち位置によって評価は変わります。法律がないから都道府県で定められた最低賃金を守る必要はなく、過重なノルマ未達成を理由に雇止めも可能です。というより、そもそも理由なくとも、いつでも全ての個人業務委託者を雇止めることも可能で、使用者側が罰せられることはありません。業務委託者の契約ルール法制化を強く求む。

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