NHKとの団体交渉【秋闘2020】

11月17日、NHK高知放送局にて、本組合役員、高知県労連役員が出席しNHKと団体交渉しました。

7項目の要求に対して、NHKから文書と口頭での回答がありましたので下記をご参照ください。



~要求と回答~



①メイト訪問員の事務費改善
(NHK)
メイトの仕事は『好きな時間に好きなだけ仕事ができる』が大前提。今後も全国の事務費基準を変更する考えはない。

(組合)
コロナ禍での特例措置として、2020年10月からメイトの対策基本額(いわゆる基本給)が新設されました。

組合は、地域スタッフとの事務費格差の是正に取り組んだと受け止め評価しています。メイトの対策基本額+歩合が一過性ではなく永続的にお願いしたい。



②メイトの70歳定年
(NHK)
メイトの満70歳超えての更新する考えはありません。

(組合)
同じ反論を繰り返しますが、同じ個人委託の地域スタッフは、70歳超えても契約更新されている。

年齢ではなく業績、視聴者の声、健康面、安全面などで評価するべき。

中・高齢視聴者とのふれあい活動は、ベテランメイトが支えている。電動機付き自転車など用いれば安全に留意した地域巡回できるのでNHKは再考してもらいたい。



③NHKで働く者への感染症予防接種、NHK費用全額または半額負担
(NHK)
現在の日本の法律では、企業が予防接種を強制させる努力義務はない。故に、任意接種である以上、個人の判断に任せているので費用も負担しない。

(組合)
新型コロナ流行によって、これまでのような多少の発熱でも業務をこなしていた慣例、常識が通用しない時代になった。

インフルエンザなど感染症予防策を推し進め、視聴者、働く者を守る取り組みを強化してほしい。新型コロナワクチンに関しては副作用も否定できない。故に、当面の間は個人の判断に任せることは理解する。

ちなみにインフルエンザ予防接種費用は@3500円(65歳以上無料)、視聴者に対し説明できる必要経費です。社員、パートなどのインフルエンザ予防接種費用を全額負担をしている会社もある。NHKも努力してほしい。



④労働組合法の遵守、組合差別
(NHK)
誠意をもって労働組合と対応する。組合差別はしていません。
(組合)
他の労組は事務所貸与されているが、私たちの組合は事務所の貸与はされていない。

教養、教育番組を扱うNHKが差別的取扱いを続けてはいけない。N国党のように勝手な解釈で法律を守らない姿勢は本当によくない。視聴者からの信頼を損ねるだけ。



⑤5年以上NHKで働く非正規労働者⇒無期雇用へ
(NHK)
地域スタッフは3年更新、直接雇用の事務員有期労働者は、最長5年まで1年更新をしている。無期転換する考えはない。

(組合)
有期労働者に対して希望のない働かせ方ではないか。そういった非正規の使い捨てが日本全体の出生率の低下、労働意欲の低下、自殺率の増加に繋がる。

NHKが、経済格差と人々の分断を問題視した放送を流すならばNHKから正すべき。



⑥女性管理職員、職員増加など女性の地位向上について
(NHK)
女性活躍の推進に取り組んでおり、『2020年の女性管理職の割合を10%以上にする』という具体的な目標を掲げて、女性の積極登用を進めている。

(組合)
高知県職員の女性管理職割合は6%(2020年11月現在7〜11%部署による)です。NHKが進んで取り組んでいることは評価します。

しかし、男女格差を世界全体で見れば、日本は153か国中121位と、女性の地位向上のための取り組みが進んでいないと判断されている。

安心して子育てや仕事に専念できるよう、NHKが率先して女性の無期雇用者を増やすなど処遇改善に努めてほしい。



⑦NHKで働く者の賃金格差、分配率の見直し
(NHK)
予算は、総務大臣から承認を受け執行している。分配を見直す考えはない。

(組合)
NHKのみならず、日本やアメリカなど経済格差が原因で、人々の分断を招く問題がおきている。

コロナ禍において、『自分だけよければいい』という自分ファーストの主張は当面理解されなくなる。

国民の団結を強めるならば、先ずは非正規労働者の処遇を改善し、均等待遇を図る必要がある。希望のない低賃金労働者を増やしてどうして国力が高まるのか。

開きすぎた処遇、賃金格差は早急に見直すべき。



○まとめ
今回の団交は、【経済格差、命と健康】をテーマとし交渉しました。

コロナ禍での特例措置ではありますが、メイトの対策基本額が新設されたことは評価できると思います。

しかし、いまだ差別的取り扱いを改める姿勢がないことは残念です。

労働委員会や行政などに救済を申し入れる手段もありますが、NHKが労組法違反という過ちを繰り返してほしくありません。自ら考えを改めるべきかと思います。

時代は、新型コロナによって大きな転換期を迎えています。アメリカ大統領選で勝利したバイデン氏も『分断ではなく団結を!』と宣言し、今後、具体的な行動を起こすことでしょう。

NHKも新しい時代を見定め、すべての人命と健康と暮らしを守る役割を果たしてください。



【追記】
11月6日、卸団地配送会社と団体交渉しました。参加者は組合から5名、会社からは代表取締役など役員4名でした。

詳細は労働協約など結んでからお伝えしたいと思います。個人的には今年中に解決できれば御の字かなと。

少なくとも会社で働く組合員に対していじめ、パワハラ、嫌がらせは今後無くなると思います。それに対して組合は、容赦も躊躇も遠慮もしない姿勢であると通告しました。

コロナ禍で大変な状況ではありますが、分断ではなく労使団結して困難を乗り越えましょう。

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