NHKとの団体交渉【春闘2018①】

2018年04月17日 23:50
カテゴリ: NHK関連2018

4月11日、NHK高知放送局内会議室にて、春闘団交を行いました。出席者は、本組合員以下5名が参加しました。

昨年と同じく全日本放送受信料労働組合と協力し、統一した地域スタッフ、メイトの処遇改善要求の交渉をしました。また、今回本組合は賃金のベースアップはもとより、「働く者の命と健康」にクローズアップし、合計16項目の改善要求をしました。

まず、地域スタッフ、メイトの賃金(事務費)についてですが、昨年度と同一成果を上げた場合、3.6%のベースアップにつながる回答がありました。営業活動に伴う乗車賃(ガソリン代)についてですが、自宅から最初の対策地点までの走行距離が、30kmあれば支給されるようになりました。乗車賃は若干改善されはしましたが、世間から見ればまだまだのようです。今後も改善要求していく必要があります。

次に、「働く者の命と健康」に関わる改善要求については、私たち訪問員の命と健康がしっかり守られる回答ではありませんでした。訪問員は、引き続き、数字のみで評価され、達成困難なノルマと委託契約解除に怯えながら従事する方向です。NHKにとって現在の特別指導を用いた手法は、必要な予算を確保する上で不可欠であり、また、好業績の方に対し、高収入にて報いる「適正な働き方」であるとの回答。個人委託のポジティブな考え方である反面、都合よく使い捨てることも可能であり、「命と健康を度外視した“働かせ方”」でもあります。「離職率が高い“働かせ方”」が適正な判断かと国民から問われたら、労働組合の立場としては、「その“働かせ方”はノー!」と答える以外ない。評価に対して、単なる営業成績だけでなく、視聴者に対する親切丁寧な対応など、地道な活動を評価に組み入れるべきと強く要求しました。また、地域スタッフ同様、メイト・委託所スタッフにも健康診断を受けさせ、協会が負担するよう強く要求しました。

最後にその他改善要求ですが、恒例の過去不良取次を行ってきた某法人、高知県から撤退要求。日放労(NHK職員労組)と同じ場所(誰でも閲覧可)への掲示板設置は却下されました。(実はこの掲示板問題が今回の一番本質的なもので、平等な権利を担保しない限り、正規、非正規の差別的対応の是正はない。)

低所得高齢者(国民年金)に対する受信料減額、実家から離れて暮らす全ての学生に対し、受信料を半額にするよう要求しました。NHKは将来受信料の値下げを考えているようで、現場サイドの意見も参考にするとの回答がありました。

今回の団体交渉は、上田NHK会長の「NHKグループ働き方改革」宣言。視聴者、NHK訪問員OBのご意見などを参考にし、「働く者の命と健康」を重きに置いて、NHKと話し合いました。

私たちの労働組合が考えるNHKとは、国民から理解され、報道の中立性、受信料制度や活動に関し認められる必要がある。この点もNHKは理解し、報道にせよ働き方にせよバランスに留意しないといけない。「それは関係ない。重視するのは数字であり力学だけ。」という姿勢では、国民や働く者からは本当の意味での支持はない。現在の予算が確保できる「“働かせ方”」を変えることは容易でないことは理解できます。しかし、「命と健康>金の姿勢こそ本来のNHKの姿ではないか?」そこに至るまでの道のりは険しい。若しくは達成困難かもしれません。それでも、本組合は、「NHKで働く者の命と健康を守る」ことを最優先とし、今後もNHKと労働環境改善に向けて話し合いを続ける方向です。

組合員各位:
今次春闘において、賃金(事務費)に関わる処遇については、収束する方向で考えています。「働く者の命と健康」に関わる改善については、組合員の意見を加味し、収束か否か判断します。今後ともご協力よろしくお願いします。

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