県労連機関紙

友好団体高知県労連の情宣

5月機関紙

メーデーと働く人の未来について考える

【1.メーデーは「働く人を守る日」である】
 5月1日の「メーデー」は、働く人たちの権利や団結を大切にする国際的な記念日である。もともとは1886年、アメリカ・シカゴで労働者たちが「1日8時間労働」を求めて立ち上がったことが始まりであった。
 当時は長時間労働が当たり前であり、休みも少なく、現在では考えられないような厳しい労働環境が広がっていた。そのため、「働きすぎでは人間らしい生活ができない」という声が世界中で広がり、メーデーへとつながっていったのである。

 日本でも1920年に初めてメーデーが開催され、「8時間労働」「最低賃金」「失業防止」が訴えられた。現在、私たちが休日や休憩を当たり前のように得られているのは、こうした長年の運動の積み重ねがあったからである。

【2.日本では今も長時間労働がなくなっていない】
 記事を読んで特に重要だと感じたのは、日本では現在も長時間労働が大きな問題となっている点である。
 統計上、日本人全体の平均労働時間は昔より減少している。しかし、その背景には非正規雇用や短時間労働の増加がある。つまり、「短時間しか働けない人」が増えたことで平均時間が下がっているだけであり、正社員には今も長時間労働が集中している実態がある。

 その結果、過労死や過労自殺が現在でも発生している。仕事が原因で命を落としたり、心を壊したりする人がいる社会は、決して健全な社会とは言えない。
 「働くこと」は大切であるが、健康や家族、人生を犠牲にするほど働かなければならない社会であってはならないと感じる。

【3.裁量労働制の拡大には大きな不安がある】
 記事では、高市首相が「裁量労働制」の拡大を進めようとしていることも紹介されていた。
 裁量労働制とは、実際に働いた時間ではなく、「これくらい働いた」と決めた時間を基準に賃金を支払う制度である。一見すると自由な働き方に見えるが、会社から大量の仕事を与えられても賃金が変わらず、長時間労働につながる危険性がある。

 さらに政府は、「もっと働きたい人がいる」と説明しているが、記事では、実際には「労働時間を減らしたい」と考えている人の方が圧倒的に多いことが示されていた。
 本来必要なのは、「もっと長く働ける制度」ではなく、「短い労働時間でも安心して生活できる社会」をつくることであるはずだ。

【4.県労連に期待される役割】
 今回の記事を通じて、県労連には大きな役割があると感じた。
 働く人の中には、正社員だけでなく、非正規労働者、アルバイト、若者、女性、高齢者など、さまざまな立場の人が存在する。そうした人々の声を集め、社会へ届けていくことが労働組合の重要な役割である。

 また、中高生や若い世代にも、「なぜ労働組合が必要なのか」「なぜメーデーが続いているのか」を分かりやすく伝えていく必要がある。
 現在の労働条件や休日は、最初から存在していたものではない。多くの人々が声を上げ、少しずつ社会を変えてきた結果なのである。

【5.まとめ】
 今回の県労連機関紙は、「働く人を守ることの大切さ」を改めて考えさせる内容であった。
 100年以上前に求められた「8時間労働」の考え方は、現在でも決して古いものではない。むしろ、長時間労働や過労死が続く現代だからこそ、改めて大切にしなければならない考え方である。

 働く人が健康で安心して暮らせる社会を実現するためには、一人ひとりが労働問題に関心を持つことが必要である。そして県労連には、これからも現場の声を大切にしながら、多くの働く人々の支えとなる活動を続けていくことを期待したい。

4月機関紙

皆で働く人を守る!県労連の頑張りとこれからの課題

【1.春闘行動を「見える運動」として継続している点】
 3月12日に春闘統一行動を実施し、県庁前交差点での早朝宣伝や昼休みの街頭宣伝を行ったことは、県労連が賃上げ課題を社会に見える形で発信していることを示すものである。記事では、2026年春闘は前年同期を上回る水準をめざすキープとされ、3月19日時点の第2回賃上げ集計でも前年同期比で前進が見られる。単に内部で要求をまとめるだけでなく、街頭で県民に訴え、組合の存在意義を社会に開いている点は重要である。労働組合の要求は職場内にとどまらず、地域の賃金水準や生活全体に影響するものであり、そのことを可視化する実践として評価できる。

【2.厳しい情勢の中でも「現実を直視した運動」をしている点】
 記事では、医療福祉分野における低額回答や印刷関連の厳しい状況、中小企業での賃上げの困難さなど、春闘をめぐる現実が率直に記されている。ここで重要なのは、県労連が楽観的なスローガンに終始するのではなく、現実を踏まえたうえで回答引き上げに取り組んでいる点である。さらに、ストライキ権確立98組合、154日のスト実施という事実からも、必要に応じて実力行使を背景とした粘り強い交渉を展開していることがうかがえる。現実を直視しつつ前進を図る姿勢は、組織としての信頼性を高めるものである。

【3.OST・QSTの活用にみる「参加型組織」への挑戦】
 3月15日のQSTワークショップには県内加盟組織から18名が参加し、グループディスカッションを通じて自由な意見交換が行われた。特に、議論にとどまらず、参加者が自らテーマを持ち帰り、自主的に行動しながら課題解決を図ることを重視している点は注目に値する。従来の組合運動が執行部主導に偏りがちであった中で、このような手法は現場の知見を引き出し、組合員一人ひとりを主体へと転換する可能性を持つ。県労連が「指示する組織」から「参加を引き出す組織」へ転換を試みている点は、今後の発展において重要である。

【4.青年部や利用者アンケートに見る裾野の広さ】
 青年部第30回定期大会の開催や、JR利用者アンケート(回答79人)の実施と要望書提出は、県労連の活動領域が賃金・労働条件にとどまらず、地域社会の課題にも及んでいることを示している。特にJR問題は、通勤・通学など日常生活に直結する課題であり、労働組合が地域住民の声を集約し、公共交通の改善を求めることには大きな社会的意義がある。組合運動が職場内に閉じず、地域と結びついている点は、県民的支持の拡大につながる要素である。

【5.県労連に今後期待される課題】
 今後の課題として、第一に、春闘の成果や課題を数値と具体事例の双方から整理し、県民に対して分かりやすく発信することが求められる。第二に、OST・QSTで得られた現場の意見を一過性で終わらせず、継続的な実践へと結びつける仕組みの構築が必要である。第三に、青年、女性、非正規労働者、地域住民の声を、組織全体の方針により明確に反映させることである。記事全体からは、その方向への取り組みがすでに始まっていることが読み取れるため、今後はそれを定着させる段階に入るべきである。

【6.まとめ】
 以上のとおり、県労連は厳しい情勢の中にあっても春闘を前進させ、組合運動の手法を工夫し、青年や地域課題にも積極的に取り組んでいる組織である。街頭宣伝、対話、要請、交渉といった地道な実践を積み重ねている点にこそ、その強みがある。今後は、こうした実践を基盤としつつ、より多くの人が参加しやすい開かれた組織へと発展させることが求められる。働く者の生活向上と地域社会の改善を結びつける中核的存在として、県労連のさらなる発展を期待するものである。