友好団体高知県労連の情宣
働く者の命・健康・権利を守るために
【1.労働者の命と健康を守る取り組みについて】
第17回中四国ブロックセミナーが高知で開催され、労働者の命と健康、安全を守るための幅広い学習と交流が行われたことは、大変意義深い取り組みである。働くうえで、賃金や労働時間などの労働条件はもちろん重要であるが、その大前提となるのは、誰もが健康で安心して働き続けられる職場環境である。
職場では、長時間労働や過重労働だけでなく、パワーハラスメントや人間関係による精神的負担など、目に見えにくい問題も存在する。こうした問題を「個人の問題」として抱え込ませるのではなく、職場全体、さらには労働組合として共有し、改善につなげていくことが重要である。
今回のセミナーのように、さまざまな職場の経験や実践を持ち寄り、互いに学び合う機会を積み重ねることで、一つひとつの職場だけでは解決が難しい問題についても、新たな視点や解決への手がかりが得られることを期待する。
【2.安全で安心して働ける職場づくりについて】
労働災害や健康被害は、起きてから対応するのではなく、未然に防ぐことが何より大切である。そのためには、現場で働く労働者自身の声を職場改善に反映させる仕組みが必要である。
日常業務の中で感じる小さな危険や違和感を放置せず、「事故が起きるかもしれない」「この働き方を続ければ健康を損なうかもしれない」という段階で声を上げられる職場環境をつくることが求められる。また、声を上げた労働者が不利益を受けたり、孤立したりすることがあってはならない。
労働組合には、個々の労働者の声を集め、会社に改善を求める重要な役割がある。今回の学習や交流が、それぞれの職場に持ち帰られ、具体的な安全衛生活動や職場改善につながっていくことを期待する。
【3.ストライキ権をはじめとする労働者の権利について】
機関紙では、国際司法裁判所やILOをめぐる動きとともに、ストライキ権など労働者の権利の重要性が取り上げられている。
労働者と使用者の関係では、一人の労働者が会社と対等に交渉することは容易ではない。だからこそ、労働者には団結し、労働組合をつくり、団体交渉を行い、必要に応じて行動する権利がある。これらの権利は、単に制度として存在するだけではなく、実際に行使することによって初めて意味を持つものである。
一方で、ストライキを含む労働者の権利について、社会全体で十分に理解されているとは言えない面もある。労働者がなぜ団結するのか、なぜ団体交渉が必要なのかを広く伝えていくことも、労働組合の重要な役割であると考える。
【4.平和と労働者の暮らしについて】
高知大空襲を風化させないという記事からは、平和の大切さを改めて考えさせられる。戦争によって最も大きな影響を受けるのは、普通に働き、暮らしている市民である。安心して働き、家族と生活し、将来を考えることができる社会は、平和であってこそ成り立つものである。
過去の出来事を単なる歴史として終わらせるのではなく、その経験を次の世代に伝え続けることが重要である。労働運動と平和運動は別々のものではなく、「人間らしく生き、安心して暮らせる社会をつくる」という点で深くつながっていると考える。
【5.今後の労働組合運動への期待】
今回の機関紙を通じて改めて感じるのは、労働組合の活動は、賃金や労働条件の改善だけにとどまらないということである。命と健康を守ること、安全な職場をつくること、労働者の権利を守ること、そして平和な社会を次の世代につなぐことも、労働組合の大切な役割である。
一人ひとりの力には限界がある。しかし、それぞれが抱える問題や思いを持ち寄り、仲間と共有し、団結して行動することで、職場や社会を少しずつ変えていくことはできる。今回紹介された取り組みが、それぞれの組合員にとって、自分たちの職場を改めて見つめ直すきっかけとなり、今後の活動につながっていくことを期待する。
働く者の命と健康、権利、そして平和を守るために、身近な職場から一歩ずつ取り組みを積み重ねていくことが、これからの労働組合運動に求められていると考える。
第97回高知県中央メーデー ― 声を上げることの意味
【1.第97回高知県中央メーデーの開催意義】
第97回高知県中央メーデーは、東洋電化中央公園において開催され、労働組合や民主団体などから500人が参加した。働く者の権利や暮らしを守るための要求を掲げ、社会へ向けて発信する場として、多くの参加者が集ったことは大きな意義を持つものであった。
【2.働く人々を取り巻く厳しい現状】
近年、物価高騰や賃金格差の拡大、長時間労働、人手不足など、働く人々を取り巻く環境は厳しさを増している。医療や介護の現場では慢性的な人員不足が続き、働く人々の負担は増加している。また、不安定雇用や非正規労働の問題も依然として解決されておらず、多くの労働者が将来への不安を抱えている状況である。
【3.現場の声を社会へ届ける重要性】
このような中で開催された今回のメーデーは、単なる恒例行事ではなく、働く者の切実な声を社会へ届ける重要な機会となった。集会では、生協労組からの発言や医療・介護現場の実態報告、さらに平和や憲法を守る取り組みについての訴えが行われた。どの発言にも共通していたのは、「現場の声を社会へ届けたい」という強い思いである。
【4.「メーデーの見える化」という新たな取り組み】
特に印象的であったのは、「メーデーの見える化」の取り組みである。各組織の組合員が自身の要求を掲げた写真や動画を通じて発信し、県労連のフェイスブックなどを活用して広く世論へ訴えたことは、時代に即した新しい取り組みであったと考える。従来の集会形式だけでは届きにくかった層に対しても、SNSを通じてメーデーの意義や労働者の声を伝えることができたのではないだろうか。
【5.「声を上げる」ことの意味】
メーデーの原点は、労働者が団結し、より良い労働条件や人間らしい暮らしを求めて声を上げることである。しかし現代社会では、「声を上げても変わらない」「自分一人が言っても意味がない」と考える人も少なくない。そのような状況だからこそ、今回のメーデーが掲げた「要求を声に出して社会を変えよう」というスローガンには大きな意味がある。
【6.労働組合の役割と連帯の力】
社会の変化は、一人の声から始まることが多い。職場での小さな疑問や不満、暮らしの中で感じる不安や要望を共有し、多くの仲間と結び付けることで大きな力となる。労働組合の役割は、まさにその声を集め、社会へ届けることである。今回のメーデーは、その役割を改めて確認する機会となったのではないだろうか。
【7.政治・行政との連携の重要性】
また、来賓として国会議員や自治体関係者が参加し、連帯の挨拶が行われたことも重要である。労働者の要求を実現するためには、職場だけでなく政治や行政との連携も欠かせない。現場の声を政策へ反映させるためには、こうしたつながりをさらに強めていく必要がある。
【8.今後の課題と若い世代への発信】
一方で、課題も見えている。500人という参加者数は決して少なくないが、県内にはさらに多くの働く仲間が存在する。特に若い世代や非正規労働者の参加をどのように広げていくかは今後の大きな課題である。働き方の多様化が進む中で、労働組合やメーデーに対する関心を高めるためには、より身近で分かりやすい発信が求められる。
【9.SNS活用と運動の発展可能性】
今回取り組まれた「見える化」は、その課題解決への一歩となる可能性を持っている。SNSや動画配信などを活用し、働く人々の日常や要求を広く発信することで、これまでメーデーに接点のなかった人々にも関心を持ってもらえるはずである。社会の変化に合わせて活動の方法も進化させることが、運動の発展につながると考える。
【10.来年のメーデーへの期待】
来年の5月1日は土曜日であり、今年以上に参加しやすい条件が整う。家族や友人とともに参加できる企画や、若い世代が関心を持てる取り組みを充実させることで、さらに多くの参加者を迎えることができるのではないだろうか。
【11.未来へ向けたメーデーの役割】
メーデーは過去を振り返るためだけの行事ではない。未来をより良いものにするための出発点である。働く者一人ひとりの要求や願いを持ち寄り、仲間と共有し、社会へ発信していくことで、より暮らしやすい社会の実現につながるのである。
【12.おわりに】
第97回高知県中央メーデーは、その可能性と重要性を改めて示した集会であった。今後も多くの仲間が声を上げ、連帯を広げ、誰もが安心して働き暮らせる社会の実現に向けて運動が発展していくことを大いに期待するものである。