友好団体高知県労連の情宣
暮らしを守る春闘へ―第40回中央委員会で方針確認
【1.中央委員会の位置づけと到達点】
第40回中央委員会は39名の参加のもと開催され、2026年春闘方針として「物価高を上回る賃上げ」と「最低賃金全国一律1700円」要求を柱に据えた方針が決定された。対話と学び合いを通じて組合員が主体的に立ち上がる春闘をつくることが確認され、単なる要求提示にとどまらない運動の方向性が示された。
【2.岡上委員長の問題提起】
岡上委員長は、「軍事費拡大が進む一方で、医療・教育・自治体が疲弊している」と指摘し、「生活保障こそが最大の安全保障」と述べた。また、高知県の転出超過が全国最多である現状について、「若者が出ていくのは郷土愛の問題ではなく、働き続ける条件が壊されてきた結果」と分析し、春闘を通じて地域に人が残れる条件整備の必要性を強調した。
【3.各分野からの実態報告】
高知一般の前田中央委員は、不当労働行為事件の和解と継続闘争を報告しつつ、「最低賃金1700円の統一にはさらなる議論が必要」と課題を提示した。
県教組の石川中央委員は、「20代教職員が毎年約60人退職し、1割が精神疾患で離職している」と述べ、教育現場の深刻な人材流出を明らかにした。
自治労連の細川中央委員は、「30~40代の賃上げが不十分で転職が進んでいる」と指摘し、生計費原則に基づく賃金の必要性を訴えた。
年金者組合の小橋中央委員は、「物価上昇17.2%に対し年金は7%程度しか上がっていない」と述べ、制度的課題を示した。
女性部の畑山執行委員は、アイスランドの「女性の休日」に触れ、「非正規支援とジェンダー平等」の運動を提起した。
こうち生協労組の笹岡中央委員は、「時給1800円程度なければ生活できないという声を反映した要求」を報告し、実態に基づく要求の重要性を示した。
自交総連の中尾中央委員は、「未払賃金裁判で仲間の存在が支えとなった」と述べ、「ライドシェアは最低限のルールを壊す」と指摘し、労働条件維持と組織化の必要性を訴えた。
医労連の鎌田中央委員は、「報酬引き上げはあったが不十分」とし、賃上げへの確実な反映を課題とした。
【4.浮き彫りになった構造的課題】
討論を通じて、「人手不足」「低賃金」「公共サービスの疲弊」という共通課題が、教育・医療・行政・交通など各分野で広がっていることが明らかとなった。これは個別の問題ではなく、社会全体の構造的問題である。
【5.前進の兆しと具体的成果】
副知事交渉では、「賃上げ原資を含む県独自支援の検討」が示され、中小企業支援の方向性に一定の前進が見られた。運動が具体的な政策に影響を与え始めている点は重要である。
【6.今後への期待と課題】
今後は、第一に対話と学び合いを通じた要求の共通化、第二に「生活を基軸とした安全保障」という理念の社会的発信、第三に地域に人が残れる具体的条件の実現が求められる。
今回の中央委員会は、現場の実態を持ち寄り、方向性を共有した点に大きな意義がある。ここで確認された内容を行動に結びつけられるかどうかが、2026年春闘の成否を左右する重要な局面である。
2026年高知県労連 新春旗開きと春闘への決意
2026年1月9日、高知県労連は新春旗開きを開催した。春闘を目前に控えた年の始まり、組合員と来賓あわせて約65人が一堂に会し、この一年をどのような覚悟で闘うのかを確かめ合う場となった。会場には和やかな雰囲気が広がる一方、生活を守るために退くことのできない緊張感が、静かに共有されていた。
【1.ジャズの調べとともに始まった新年】
開会の発声のあと、会場に流れたのは柔らかなジャズの旋律だった。混沌とした社会情勢の中で、参加者一人ひとりが自らの立ち位置を見つめ直すような時間であり、新春にふさわしい落ち着いた空気の中で旗開きは幕を開けた。久しぶりに顔を合わせる仲間同士が言葉を交わし、連帯の輪が自然に広がっていった。
【2.物価高の現実と、前へ進む決意】
岡上委員長は主催者あいさつで、長引く物価高騰と厳しさを増す労働環境に触れながらも、「だからこそ仲間と力を合わせ、前へ進む」という決意を語った。その言葉は、現状への嘆きではなく、退かない姿勢の表明として参加者の胸に響いた。
続いて、高知県雇用労働政策課長、日本共産党の岡田高知県議から、それぞれ激励と連帯の来賓あいさつが寄せられ、労働者の声を社会につなぐ取り組みへの期待が示された。
【3.2026年春闘方針と国際情勢への視座】
筒井委員長代行は、県労連の2026年春闘方針を示し、「失われた30年を取り戻すには、分厚い中間層の賃金底上げが不可欠だ」と強調した。最低賃金全国一律1700円以上という目標は、理想論ではなく、生活を守るために必要な最低条件として示されたものである。
また、アメリカによるベネズエラへの軍事攻撃に触れ、「国際法違反であり、許されない。民主主義という普遍的価値が破壊されている」と批判した発言は、労働運動が平和と民主主義と不可分であることをあらためて浮き彫りにした。
【4.新春早朝宣伝行動――冷たい風の中で】
同日早朝、県庁前電車通りでは、新春早朝宣伝行動が行われた。冬の冷たい風が吹き抜け、吐く息が白くなる時間帯。通勤へと向かう人々の足音が、静かな街に規則正しく響いていた。
この交差点に立ったのは、8組織11人の仲間たちだった。
生協労組は、日々の暮らしを支える現場から物価高の重みを背負い声を上げた。
自治労連は、公共サービスを担う最前線の責任と誇りを胸に、労働条件改善の必要性を訴えた。
自交総連は、交通の安全と働く者の命を守る立場から、賃金と労働時間の問題を正面から語った。
教職員組合は、子どもたちの学びを支える現場の疲弊を、静かだが揺るぎない言葉で伝えた。
年金者組合は、長年働いてきた人生の実感として、老後の生活不安と物価高の現実を訴えた。
冷え切った手でマイクを握り、凍える指先でビラを差し出す。その一言一言は風にさらわれそうになりながらも、確かに通勤途中の労働者の背中を追い、この年の闘いの始まりを告げていた。
【5.考察と期待――年の始まりに掲げた旗】
今回の新春旗開きと早朝宣伝行動は、単なる年始行事ではない。物価高と賃金停滞が続く中で、「声を上げ続ける」「退かずに闘う」ことを確認する場であった。賃上げは可能かどうかではなく、実現させるかどうかが問われている。
連帯を力に変え、現場の声を社会へ押し出すこと。その積み重ねこそが、2026年春闘の行方を左右する。年の始まりに掲げた旗は簡単には降ろさない――その覚悟が、静かに、しかし確かに共有された一日だった。